Fat Lava Book | Fat Lava and German Art Pottery-kiis-

Fat Lava Book Japanese Edition 発刊

2021.1.23
【Fat Lava :West German Ceramics of the 1960s & 70s】通称Fat Lava Bookと呼ばれる、世界中のFat Lavaコレクターたちのバイブル本の日本語翻訳版がついに完成しました。

金属工芸家・バイヤー・コレクターという肩書だけの、書籍の出版については何の知識もない超ド素人の私が1年ほどかけて、世界中のコレクターのバイブル本になっている通称Fat Lava Book Japanese Editionを出版しました。

英語で書かれた原書は、2006年King’s Lynn Arts Festivalの一環として開催された展示会に伴って制作され、現在は第四版が発刊されています。

世界的には10,000部ほど販売されています。


第4版はFat Lavaという名前が作られた当時の展示会での図録としておおよそ75%の情報、プラスその後に発見された新しい事実が追加で紹介されている改訂版。

典型的な特徴・マーク・またはラベルの解説や、Scheurich、Ruscha、Roth Keramik、Carstens、Bay Keramikなどそれぞれのメーカーにクローズアップした12章から構成されています。

私自身、語学が苦手なので、どうしても探求心を満たすためにはこれの日本語で翻訳された内容が欲しい。

見た目の美しさだけではなく、これはどんなメーカーが作ったのか、なぜこれが出来上がったか、など背景を知りたいし、共有したい。

私がこの分野に携わり付加価値を伝えていくために、これが必要だという一心だけで自費出版に至りました。

私に一任してくれたMark HillとGraham Cooleyのためにも、期待以上にこたえたい!と思い、忠実に原書を再現。印刷工場まで行って色の指示も出したりしていました。

プラス少しだけ日本特別版として、紙の質感をあげて、よりアートブックとして大切にしていただけるように努めています。

Fat Lavaやドイツのアートポタリーがお好きな方・興味を持って下さった皆様のお手元にお届けできたらうれしいです。

2021.1.23 発行所/発行人 kiis 服部 敬子

陶器それぞれは最後の仕上げの釉薬を手作業で施しており、一点一点表情が異なります。
それと同じように一冊一冊個性をつけたくて、裏表紙にナンバリングをしています。

グラハム博士が日本語版に特別に書いて下さった【刊行によせて】を下記にご紹介します

2020.12月 Dr.Graham Cooley

刊行によせて


2006年に開催された「F a t L a v a展」と、それに付随するMark Hil(l マーク・ヒル)の著書『Fat Lava』は、陶磁器収集の世界を永遠に変えました。

世界中のコレクター、キュレーター、インテリアデザイナーが、この素晴らしく生き生きとした陶器のオブジェを受け入れてくれたのですから。

「F a t L a v a 展」は2 0 0 6 年7月1 5日〜8月12日まで、イギリスのKing’s Lynn Arts Centre(キングス リン アーツ センター/通称KLAC)で開催されていました。
この展覧会に先立ち、私は長年にわたってヨーロッパのミッドセンチュリーモダンの陶磁器を収集してきましたが、特にドイツの陶磁器の色、質感、スケール感に心を打たれました。
2003年にこの展覧会の企画書を見せたところ、KLACの学芸員であるLiz Falconbridge(リズ・ファルコンブリッジ)が展覧会の開催に大変尽力してくれました。
ミッドセンチュリー時代のドイツの陶磁器が広く一般に公開されるのは初めてのことで、世界中から3,500人以上もの人が来場しました。

特筆すべきは2006年当時、フェイスブックはまだ運用が始まって2年ほどしか経っておらず、インターネット上にはほとんど情報がない状態で、作品やデザイナーを特定しようとするのは、非常に困難な作業だったということです。
今となっては情報社会は大きく変化していますが、私が選んだ展覧会の名前がこれらの素晴らしいオブジェを表現するために世界中で採用されていることに、今でも驚きを感じ続けています。

この展覧会に付随して出版されたMark Hillの『Fat Lava』のオリジナル版は、発行部数で驚異的な成功を収めています。これまでに3回再版されており、新版のたびに新しい情報を更新・追加することで、より充実した内容になっています。

今回の日本語版もMarkの長年の研究成果が生かされたものになっています。
この本は20世紀のデザインの分野では画期的な作品であり、時代が変わってもきっと色褪せることはないでしょう。

MarkとKeiko Hattoriからこの日本語版の序文を書いてくれないかと誘われた時は、とても嬉しかったです。私の日本文化に対する見識からすると、特に陶磁器や装飾芸術の分野で”デザイン”が非常に真剣に扱われています。ヨーロッパをはじめ、世界中で人気を博している重要なこれらを、目の肥えた日本の方々が新鮮で好意的に見てくれることを確信しています。

 Markと私が何年も前に始めたFat Lavaの発見の旅を楽しんだように、この重要な本を楽しんでいただきたいと願っています。

 日本の陶磁器コレクターのみなさまに敬意を表して。