2019/06/20 09:42

日本の雑貨店でも目にするSheurichというドイツのメーカー。

現在は園芸用品、特に鉢カバーは世界的地位を確立しています。
しかし、実はかつてはもっと前衛的なアートよりの花器をたくさん作る陶器メーカーとして、ミッドセンチュリー時代は活躍していました。


当時のトレンドであったFat lavaを含めたW.german art potteryとして、またはドイツ全体としてもSheurichとRuschaという二大メーカーが趨勢を占めていました。
今回ご紹介する414-16というこの形もとてもポピュラーで、kiisでも取り扱いがすでに三つ目。同じ形であれど、釉薬やテクスチャの違いで全く異なる表情を見せるのも面白味の一つだと思います。
同じ形の柄違い、ということでファンやコレクターも多いアイテムでもあります。
まさに2006年にグラハムクーリーが【Fat Lava】という言葉と様式を一大ムーブメントに押し上げたイギリスでの展示会でも、Sheurichはこんな感じで同じ形柄素材違いがたくさん展示されていたと記憶しています。


---------------Fat lavaについて----------------------

【特徴】

流れるようなディティール、溶岩を彷彿させるような深い赤の色、ザラっとした溶岩石のようなテクスチャ…。Fat lava=肥えた溶岩、と直訳されるそのままに、とても特徴的なスタイルの陶器です。


【歴史】

第二次世界大戦終戦の後に、ドイツは国を挙げて窯業の再建に取り組んでいました。


100を超えるメーカーが当時はあったそうです。その時の立役者となったのがこのスタイルの陶器たちであったと言われています。ドイツの、特に西ドイツでたくさんのメーカーがこのスタイルの花器を制作していました。メーカーによって、その表情は様々で、とても個性的な花器や食器が生まれました。


しかし、そのブームは1980年代には衰退し、たくさんのメーカーが廃業や生産の方向性を大きく変えることになりました。


そして時が経ち、2006年にイギリス大規模な展示会で発表されて以降、世界中にその名が知れ渡りました。Fat lavaという固有名詞が生まれたのもその時だと言われています。

以降瞬く間にFat lavaは世界中にファンが増え、コレクターズアイテムとしての地位を確立していきました。

まだまだ日本では聞きなれない言葉ではありますが、じわりじわりとその名前が浸透し始めているのを実感しています。この壮大な背景とストーリーのあるものたちはとてもロマンチックなので、私のようにだれかの心に響くものだと信じて、日本でfatlavaと言えばkiis…と言って頂けるようなものを今後も集めてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

http://www.fatlava.net


※長い時と遠い海を越えてお届けするアイテムです。経年による、釉薬の劣化・小さな傷などが生じている場合がございます。鑑賞用・オブジェとしてのお取り扱いをおすすめしております。



現在、目黒のギャラリーカフェ、graphtさんにて店頭販売もしています。もしもお時間とご都合よろしければ、ぜひ実物を見て触れてお試し頂ければと思います。(しばらくの間、オンライン注文の際の配送もgraphtさんからとなります。)

grapht
☕ 目黒区青葉台3-16-8青葉台ハーモニービル2F
中目黒駅 徒歩13分 / 池尻大橋駅 徒歩8分
https://www.instagram.com/grapht_tokyo/?hl=ja


---------------kiisについて----------------------

https://kiisworks.com

2014年より、きんぞくでの作品制作を中心に活動しています。

東ドイツの工業製品に憧れ、アトリエを持って一週間後に実物を見るためだけに行ったドイツはベルリンの虜になり、それからは年1回程度現地へ行くようになりました。自分の制作の目標とするスタイルが、伝統工芸からもっと自由な作風にシフトチェンジ。それとともに

西ドイツやジャーマン アート ポッテリーへの憧憬に変化し、そして、Fat lavaに出会いました。

作家としての私らしい展開の仕方、【W.german art pottery】や【Fat lava】というカテゴライズよりも一段掘り下げてそれぞれのメーカーにフューチャーしたお話なども含めた付加価値とともにお届けできればいいなと思っています。