2019/10/11 03:39

近頃このサイトを訪問してくださる方が増えてきて、大変うれしく思っています。

ありがとうございます。

今回は自己紹介とこの活動を始めることになった経緯について、お話しをしようと思います。
本題の部分、Fat Lava /  West (East) German Art PotteryについてはAbout のページ https://www.fatlava.net/about をご覧ください。


1.kiis キイスについて
私は大阪でkiis(キイス)というブランド名で活動しているkii(キイ)と申します。
kiis=Kii's 、Kii  is を重ねた造語で、キイこと わたくし自身の好きなもの、キイのつくるもの、キイとは…などの意味をイメージしてつけた名前です。

お顔の見えないやり取りゆえ信頼が大事だと思うものの、インターネットに掲載できる写真としてはこれが限界なのですが。。。
たまにオンラインでのやり取りの上実際にお会いすると、「男性だと思っていました!」と言われることがありますが女性です。

私です↓at 西表島。

あえて、ドイツの印象とは真逆のカットを掲載してみました。
写真に写るのは得意ではないのですが、友人にいつの間にか撮ってもらっていたこの写真だけはとても気に入っています。

2.制作活動について
作家として、真鍮・錫・銅などのきんぞくを用いた衣食住に纏わる作品づくりをしています。
テーブルウェア(食)から始まり、インテリアアイテム(住)・アクセサリー(衣)などなど。
きんぞくの新しい可能性を提案しています。

例えば、、、
見て頂いた方が早いのでいくつかの画像でご紹介します。

【錫のぐいのみとプレート】
これは散りゆく落ち葉が愛おしくなりそれを永遠に残せたら、という思いが制作のきっかけになったもの。アトリエのそばにある桜並木に葉っぱを拾いにいくところから始めて、型に取って錫の板を作り、成型しています。


【ドライフラワーのための花器】
水が要らない・逆さまにむけられる・軽い、など沢山のメリットがドライフラワーにはあるのにその特徴を活かした花器がない!と気が付き、そこから自分にできるものを作りました。
ドライフラワーに似合うよう、古美仕上げにしています。


【錫製バングル・真鍮製ダブルリング】
錫はシルバーにはない優しい色目なので大人っぽくコーディネイトできたり、柔らかさゆえに微調整ができたり。錫の特性を活かすとまた新たな提案ができてしまうのです。こちらも私の得意とする型取り技術で、レースのテクスチャを金属で再現しています。
二本の指でつけるダブルリングもkiisらしく、ありそうでなかった自由さがそこにあります。結構可動範囲は広いです。

制作については、誰も作ったことのないような、私らしい作品になるよう心がけています。
心がける、というよりも閃きが形になることが一番楽しいです。

とまぁ、このサイトとは全くもって遠いところにいる背景はこのあたりまでにしておきます。

3.Fat Lavaに出会って現在に至るまで
そんなところからなぜ、Fat Lava集めにたどり着いたか。なぜ日本でブームを起こそうとしているのか。
話がまとめられていなくてごめんなさい。ここからの経緯も長いのでお時間あられるときにお読みいただけたら幸いです。
(長くなるほどしっかり歳も重ねております。。。)

もともと、10余年アクセサリー作りをしていて、「私の好きなものは、世の中に既にある」という気持ちを抱いたときに活動を一度辞めました。
自分で言うのもなんですが、気持ちいいほどすっぱり。

友人が「結婚指輪をあなたに作ってほしい!」と言ってくれたときでさえ、断ったほど。(のちに作らせてもらいました。)
自信のなさと頑固さとしかなかったです、あのころは。

それでも何かをつくることは探したくて。自分にできるものはなにか、2年ほど模索していました。
そして、とあるタイミングで出会ったのが「錫」というもの。それで日本酒を飲めば味わいがかわる魅力的な金属。
全く無知だった私にとって、心の奥から振動が起こるような、ゾワゾワするような、そんな感覚になりました。
「魔法のきんぞくだ!メシアだ!」
客観的に見た金属自体の魅力と、主観的に迷子になっていた私を救ってくれた救世主ほどに見えるまぶしさ、錫に対してはそんな気持ちが重なりました。

そして、きんぞくでテーブルウェアを作ることを決めました。どんなものが作りたいかは不思議と全く迷いがなかったです。

日本の雑貨店で東ドイツの工業製品のうつわを見て、こんなものをきんぞくで作りたい!というイメージはすぐに浮かんでいました。
ヴィンテージやアンティークの金属たちを見て、なぜ現行品ではこんな形がないのかと思っていて、ないなら私が作ろう!と考えました。

そして、右も左もわからないままに道具だけは運良く周りの人たちのおかげであっという間にそろって。
いよいよ、アトリエが必要になった時。

「そうだ、ドイツに行こう!」
これから始まるkiisの歴史を歩んでいく前に、とにかくまずは本場で現物を目で見ることを心に決めてすぐにドイツに飛び立ちました。


そして初めてのドイツは見事にはまりました。
もちろん見たかった錫をはじめとしたあらゆる工業製品は大前提で、それからアート作品、街も人も全部。
ドイツが大好きになりました。

親友と言えるドイツ人の友人との出会いもあって、それから年に一度、好きな街に行くようになりました。
行くようになった、というよりも行く理由を作っていける自分であり続けるよう努めました。

そうこうしているうちに、街の中でFat Lavaに出会いました。
当時は全く知識なんて一切なく、どころかそんなカテゴライズされたジャンルがあることさえ知らずに。
ただただかわいいと思って惹かれ始めただけでした。

燃ゆるような情熱的な色や、ルールがあるようなないようなディティール・面白みのあるおおぶりなテクスチャ。
どれも日本にはないと思えるようなものばかり。
あれ、なんか今魅力されるものたちに共通項がある。なにかわからないけど手元に集まってるものたちがある。気づけばそれが、Fat Lavaたちでした。

ちょうどそのころ、私自身の作風がどんどん自由に変化していって、制作が楽しくなってきていた時でした。
始めた頃は、伝統工芸という由緒正しいものづくりを目指さないといけない、という固定概念に縛られていたものが、
「これでいい、これがいい」という自分らしい、縛りのない自由なモノづくりに落ち着き、アイデアがどんどん止まらなくなってき始めたころです。


そのタイミングで魅了されたドイツの芸術的陶器たち。
そこには多種多様に表現している自由があって。
ふとした時にそれと自分のモノづくりがイコールに感じて、自分のスタイルを後押ししてくれるようにも思えました。
今出会うべくして出会えたものだろうという必然の運命さえ感じています。


それからはもうあっという間。

「もっと知りたい。たくさん見たい。。。。」

探求心は熱を帯びていく一方。留まることが一切なく突き進み始めました。
周りには「壺に取り憑かれているw」なんて最高の誉め言葉をもらうことも増えてきました。


でもこんなに心奪われるものなのに、当初は日本で調べても全然詳しい人もいないし専門で扱っている人もいない。
インターネット検索でさえ、日本語の情報が全然出てこない。
世界ではこんなに当たり前のように名前が知られていてコレクターがいるのに。。。

きっと私みたいに日本でこれに出会って心を持って行かれる人は多いはず!
そんな人たちは路頭に迷ってしまってあきらめてしまうかもしれない。

それなら私が、この分野をとことん極めてやる!
コミュニティを作ってやる!
なんなら、知らない人たちも巻き込んでFat Lava旋風をおこしてやる!
という気持ちになりました。

とそこまで言うと大げさですが。
結局私自身がFat Lavaのとりこなだけ。

付いてしまった火は一日たりとも消えず、周りを巻き込んだ勢いは増すばかり。
(2021.12.1追記:その勢いで2021年1月に通称 Fat Lava Bookと呼ばれるコレクターたちのバイブル本の日本語訳バージョンの書籍を制作しました。https://www.fatlava.net/p/00002)

自分の好きなものは誰かと話をしたい、その魅力を少しでも伝えたい、という性分なので、その奥深さの面白みが広がればいいなと思っている一心です。
もともと、田舎ものなので、近所のおばちゃんたちが「これおいしいから食べてみて~」と持ってきてくれるような、そんな感覚なのです。
純粋に心の底から、最高に良いと思うのです。


自己紹介の予定が、最終的に自分の情熱を語るところに着地してしまいましたが、そんな感じです。

もちろん、Fat Lavaだけではなく、当時のドイツで作れてきたアートポタリー全体が大好きです。
細かく分類すればそこはニアリーであって、ノットイコール。
なので、サイト名は【Fat Lava and German Art Pottery】にしていますが。

時々、長いので割愛させて頂くことがありますのでそちらご了承くだされば幸いです。


私自身まだまだ手探り状態で、一つずつの知識を重ねている段階なので、なにかご存じのお知恵があったらお気軽にお教え頂ければ嬉しいです。なんなら、一緒にブームを作っていきたいです!

どうぞどうぞ、今後とも宜しくお願いします。




2019.10.11 kiis キイ